• 日. 6月 1st, 2025

美学会

The Japanese Society for Aesthetics

芸術と社会をめぐる合同書評会のお知らせ

5月 29, 2025

京都市立芸術大学加須屋明子研究室・京都大学大学院地球環境学堂高階絵里加研究室の主催にて、芸術と社会をめぐる合同書評会が以下の要領で開催されますので、お知らせいたします。

日時:2025年7月18日(金)19:00 – 21:00
会場:Zoomによるオンライン開催
開催趣旨:
2024年11月と2025年1月に、相次いで『芸術と社会』というタイトルの書籍が刊行されました。いずれも、芸術と社会の関係を多角的に考察する研究会をもとに編まれたものですが、それぞれ異なる視点と方法論を用いており、芸術が社会とどのように関わるのかについて多様なアプローチが示されています。
『芸術と社会—近代における創造活動の諸相』(高階絵里加・竹内幸絵編著、森話社、2025年1月刊行)は、西洋・東アジア・日本を広く視野に入れ、近代という時代のなかで芸術がどのように制作され、展示され、受容されてきたのかを分析しています。建築、美術、文学、デザイン、舞台芸術など多岐にわたる分野の 22 名の研究者が執筆し、「芸術体験の現場」「社会と共振する芸術」「芸術とメディアの接近」「危機の時代の芸術」の四つのテーマを軸に、芸術と社会の関係性を探求しています。
一方、『芸術と社会—表現の自由と倫理の相克』(加須屋明子編著、中央公論美術出版社、2024年11月刊行)は、芸術の自由が社会においてどのように規定され、制約されてきたのかを問う書籍です。歴史修正主義や検閲、政治的プロパガンダなど、芸術の自由をめぐる社会的・倫理的問題に焦点を当て、日本とポーランドを中心に、芸術の役割や民主主義との関係を論じています。国内外の研究者や実践者による多様な視点が織り交ぜられ、芸術の自由と社会的制約のせめぎ合いが浮き彫りにされています。
このように、共通するテーマを持ちながらも異なる角度から芸術と社会の関係を掘り下げた二冊の書籍が、同時期に刊行されたことは非常に興味深い現象です。本書評会では、それぞれの書籍が提示する視点や議論を比較しながら、現代における芸術と社会の関係をより深く考察する場を提供します。異なる立場からの議論を交差させることで、芸術と社会の関係性を再考し、新たな視座を開く機会となることを期待しています。

登壇者
評者:田中正之(国立西洋美術館長)
編・著者:加須屋明子(京都市立芸術大学教授)
編・著者:高階絵里加(京都大学大学院地球環境学堂教授)
司会:永井隆則(同志社大学文学部嘱託講師)
 
言語:日本語
定員:300名
参加料:無料
参加方法:Google Formによる事前申込制
申込:申し込み用Google Form:
https://forms.gle/nAKq9GWwfZy4YTPy9

問合:加須屋明子 kasuya92[at]gmail.com / 高階絵里加 takashina.erika.6r[at]kyoto-u.ac.jp
主催:京都市立芸術大学加須屋明子研究室・京都大学大学院地球環境学堂高階絵里加研究室
後援:美術史学会西支部/美学会